初盆新盆

よく知られる「お盆」。

一般手的な会社ではお盆休みが設けられているので、里帰りをして、家族みんなで過ごすことも多い時期ですよね。

先祖や亡くなった方が浄土(あの世)から戻ってくるのを供養する期間のことで、8月13日~16日をお盆と呼びます。

由来や細かな歴史などは分からないとしても、お盆の時期や何をするのかを知らない人は少なくありません。

しかし、「初盆」・「新盆」のことになると、ぐっと認知度も下がるのではないでしょうか?

初盆には、親族があつまり法要を行うのですが、そのマナーについてよく知らない方も多いはず。

いざ初盆に招かれてから、マナーについて慌てて調べることにならないように、服装や香典など一般的にどうすべきなのか知っておく良いですよね。

お年寄りの方など、中にはマナーに厳しい方もおられますので、大人として恥をかかないように一通りのマナーは抑えおいた方が良いでしょう。

ここでは、初盆・新盆についてより詳しくご紹介していきたいと思います。

初盆と新盆て何?

初盆というのは、亡くなられた方の四十九日が終わった後、初めて迎えるお盆の事です。

四十九日が過ぎる前に、お盆を迎える場合は翌年が初盆ということになります。

 

新盆とは、死後、告別式を終えて49日が過ぎた後に初めて迎えるお盆の事を差します。

亡くなってから初めて家に戻るお盆ですので、通常のお盆とは異なり、僧侶や親戚、知人を招いて法要を行うことが多く、いろいろな事前準備が必要になります。

用意するものや供養の流れなどを把握しておき、スムーズに当日を迎えることができるようにしておきましょう。

 

新盆と初盆の違いは読み方だけ

新盆と初盆という言葉ですが、結局違いはなんなの?と気になっているという方も多いのではないでしょうか。

新盆と初盆には意味の違いがあると思っている方もいるかもしれませんが、実は読み方の違うというだけなのです。

つまり、新盆と初盆の違いはその読み方だけで、言葉の意味はまったく同じなのです。

新盆と初盆の意味は先に述べましたとおり、人が亡くなってから初めて迎える盆のことを指します。

49を過ぎてから初めて迎えるお盆のことを指し、49日を過ぎていない場合には翌年になりますのでその点は注意しておきましょう

新盆と初盆の読み方なのですが、新盆のほうがいろいろな読み方ができます。

新盆は「にいぼん」「あらぼん」「しんぼん」、まれに「にゅうぼん」といろいろな読み方があるのに対して初盆は「はつぼん」という読み方のみです。

しょぼん」とも読めそうなのですが、初盆は「はつぼん」のみなのでこの点も注意しておきましょう

意味は同じでもさまざまな言い方ができるわけなのですが、中でももっとメジャーとなっているのが「にいぼん」という読み方です。

読み方というのは地域によって違うのですが、「にいぼん」は関東で多く使われる読み方です

「はつぼん」は関西や九州で使われることが多いようです

基本的にこれらの読み方でどれが正しいというのはありません。

どれもきちんとした読み方なのです。

宗派なども関係ありませんので、本当に地域による違いと考えていいでしょう。

一種の方言のように考えておくといいのではないでしょうか。

ただ、実際にお盆になると香典のときに書き方で困ります。

こういうときには、基本的に亡くなった方の地域に合わせるようにしましょう

地域によってさまざまな読み方があるということを知っている方が多ければいいのですが、「新盆の読み方も知らないの?」「初盆が読めないの?」と思われてしまうとやはり心象は悪くなってしまいます。

お盆の時期というのは多くの方が集まりますので、郷に入っては郷に従えというスタンスでいたほうが無難に過ごすことができるでしょう。

それもまた相手方への一種の心遣いです。

事前に、その地域でどのような読み方をするのかをリサーチしておくといざというときにも安心です。

 

初盆・新盆で必要なものは?

 

精霊棚(しょうりょうだな)

祖先の霊を迎えるものとして、仏壇の前に精霊棚を飾り付けましょう。

その年の作物や精霊馬を供えます。このときに、位牌を取り出しておいて、精霊棚の中央に飾りましょう。

仏具のお店では必要なもの一式がセットになっているものもありますので、不安な方は一度お店を覗いてみてみましょう。

 

精霊馬(しょうりょううま)

祖先の霊を迎えるのに必要不可欠なお供え物で、ナスやキュウリに割り箸で足をつけて、馬と牛に見立てたもの。

来るときには馬に乗って早く到着するように、帰るときには牛に乗ってゆっくりと帰ってもらう、といった意味があります。

 

盆堤灯

祖先の霊が、迷わずに家へと来られるようにと灯しておくもので、新盆では白堤灯を使います。

使用した白提灯は、送り火で燃やかお寺で供養してもらうのが一般的です。事前にお寺に確認をとっておくと安心です。

これらのほかに、お供え物(今年とれた作物やお団子など)や供花、新しいロウソク・線香、松の割り木なども用意しておきましょう。

 

初盆・新盆の手順を確認しよう

13日はお迎えの日です。精霊棚を設置してお供え物をして、祖先の霊を迎える準備をしましょう。

仏壇から位牌を出して精霊棚の中央に置き、仏壇の扉は閉めておきます。

お墓参りをした際にお墓の掃除も行いましょう。

夕方には、迎え火を焚き、盆提灯に火を灯します。

14日~15日に遺族揃ってお墓参りを行います。法要をして例の供養を行い、その後会食などへ移ることが多くなっています。

そして16日はお見送りの日。夕方に送り火を焚き、祖先の霊を見送ります。

このように、初盆・新盆ではお寺から自宅に僧侶を招き法要を行うのが一般的です。

早めにお寺に連絡をして予約することを忘れずにしましょう。

また、お布施の相場は3~5万円、この他にお車代や御膳料が必要となります

お布施は必ず包んでお盆に載せて渡すのが礼儀ですので注意が必要です

初盆・新盆はとても大切な儀式です。

準備は大変ですが、先祖の霊をしっかりとお迎えできるように、準備万端で臨みましょう。

 




初盆(新盆)に招かれた場合 どんな服装で行くべき?

親族は、一般的に喪服を着ることになっています

ですが初盆・新盆は、悲しむ場ではなく偲ぶ場なので確かな決まりがあるわけではなく、最近では平服(礼服)にすることも多いようです。

注意すべきなのは、平服を普段着と勘違いしてはいけないということ

招かれた際に、平服や楽な服でいいよと言ってくださる場合がありますので、その時は招いてくださった方の意に添わせるといいですね。

初盆・新盆は、真夏の暑い時期ですので夏用の喪服でも暑いですよね。

招かれる側が喪服を着用されていれば、喪主のご家族も喪服を着用しなければなりませんので喪主のご家族を気遣う意味でも喪服の着用を避ける場合もあるようです。

 

他にも、いくつか注意点があります。

時間を気にせず参るという意味で腕時計はつけません

また、ネクタイピン・カフスボタン・靴など、金具付きのものを着用するのはマナー違反となりますのでやめましょう

子供の服装ですが、制服着用で大丈夫です

私服の園や学校で制服がない場合には、大人しい地味な色の服を着せてあげてくださいね

 

例えば・・・

白・黒系のブラウス
黒・グレー等のスカートまたはズボン
靴下は、黒や紺にしましょう。

 

逆に、普段着が一般的という地域もありますので注意が必要です

みなさんが普段着のところに、平服が1人だと逆にかなり浮いてしまいます

初盆・新盆には、お坊さんにお経をあげてもらい、法要が終わった後には食事会(お斎:おとき)もあり、時間も長くなりますので他の方々と服装がちがうと、結構目についてしまいます。

浮いてしまって気まずくならないようにしたいですよね。

事前に何をお召しになるのか、さりげなく相談してみましょう。

 




初盆の香典の表書きの書き方は?

表書きは、「仏式」「神式」「キリスト教式」で異なります。

 

仏式    :御仏前・御香料・御香典

神式    :御榊料・玉串料・御神饌料・御霊前

キリスト教式:御花料・ミサ料

 

このような表書きになります。

下段に、名前をフルネームで書きましょう

これが、正しいマナーとなりますので覚えておいてくださいね。

初盆・新盆には、子供や親族が盆提灯を御供する習慣がありますが、たくさんいただいても置き場所に困る場合も多く、最近では「御提灯料」もしくは、「新盆献灯料」と言う形で、お渡しすることが多いそうですよ。

表書きに「御提灯代」とは、書かないようにしましょう

〇代というのは、商品またはサービスの対価に使われる言葉ですので、失礼に当たりますので注意してください

水引は、黒白または黄白の香典袋(正式には不祝儀袋)を使います。

関西地方では、黄白が一般的で黒白の水引はお通夜・お葬式のみに使うそうです。

地域によってしきたりも異なるので、他の親族の方などに尋ねるようにしてください。

 

初盆の香典 相場はいくらくらい?

亡くなられた方との、間柄で初盆の香典(お供え金)の相場は変わります。

それぞれの相場をご紹介しますね。

 

実の両親・兄弟の場合:10,00020,000

祖父母の場合    : 5,00010,000

親族以外      : 3,0005,000

 

親族以外であれば、親しさにもよるそうで特に親しかったという方以外は包まなくても良いという考えもあります。

同僚や友人・近所の方と相談しましょう。

初盆・新盆に法要をしない場合もありますが、香典は包むようにしましょう

上記で記した「新盆献灯料」と香典ですが、地域によって片方だけで良い場合と別に必要な場合とあるので、注意が必要です

誤解を招いてしまっては、その後の関係にヒビが入りますので必ず他の方に相談した上で包みましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

初盆・新盆に関するマナーは、その地域や喪主のご家族の考えによっても大きく異なることがわかりました。

いくら一般的だといえでも、そのご家族によって考えも違います。

特に服装に関しては一人だけ違うとかなり浮きますし、マナーも知らないということで恥をかくことにもなります。

また、喪主のご家族にも失礼に当たる可能性がありますよね。

初盆・新盆はとても大切な儀式です。

服装や香典にお包みする金額など、念のために他の参列者の方に尋ねたうえで、合わせるようにするとトラブルも防止できて良いでしょう。

準備は大変ですが、先祖の霊をしっかりとお迎えできるように、準備万端で臨みましょうね!

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