浴衣の着付

夏が近づくとおのずと登場回数が増える浴衣。

着物よりも着方が簡単なので、自分で着る人も多いはず。

その時に毎度迷ってしまうのが、左右どちらが前か…。年に数回しか着ないために、すぐに忘れてしまいます。

これで迷わない!浴衣の正しく着るための知識を身に付けましょう!

 

女性限定?右前?左前?

浴衣を着る時に迷うのが、その着方です。

襟の合わせ方が、右前なのか左前なのか、さらに誰から見てどっちが前なのか、よく混乱してしまいますよね?

 

結論から先に言うと、「浴衣を着る自分から見て右が手前」が正解です。

しかし、ここでもう一つの言葉の罠が。

着物を着る時の「前」という言葉は、時間が前ということを意味します。

つまり合わせる順番が前という意味なので、先に合わせるべきなのが右。右からスタートするので仕上がりは、左の襟が上に来るのです。

 

最近では浴衣姿の男性もよく見かけるようになりました。実は、男性も女性と同じ右前で着ます。

洋服で男女に差があるせいか、浴衣でも男女逆に着ようとしている人もいるようですが、それは間違いなので、注意が必要です。

3つのチェック項目で間違いを防ぐ!

ややこしい説明になりましたので、ピンとこない方も多かったのではないでしょうか?

着る時に意識したい3つのチェックをクリアできていれば間違うことはないので、着ながら確認してみましょう。

チェック1 右手を懐に入れることが出来る
チェック2 自分から見て右側に浴衣の端がきている
チェック3 自分を中心に、浴衣の巻き方が右回り

これらがクリアできていれば、バッチリですので、覚えておきましょう。

浴衣の左前はNG

では、なぜそこまでして向きにこだわる必要があるのでしょうか?

実は、和服の合わせを左前にすることを「死人前(しにんまえ)」と呼びます。

「死人前」というのは、亡くなった方が着る「死装束」の合わせが左前にしているところからきています。

亡くなった方と同じ着方をするのは縁起が悪いので、この合わせをさけるようにしているのです。

 

死の世界では、物事が逆さになっていると考えられています。

いつもと反対の事をすることで、死の世界と現実との世界を区別しようとしているのです。

そうすることで、今生きている人を守ることにもつながります。

このようなことから、通常「右前」で着ているものを反対の「左前」で着せて送り出すのです。

 

着る時のちょっとしたミスですが、マナーを知らない人という目で見られたり、場合によっては年配の方から強く指摘されることも。

死の世界に連れて行かれてしまうという考えもあるようです。自分で浴衣を着る時には細心の注意を払いましょう!

 

浴衣の着方は?

着る向きも分かったところで、自分で着るための流れを見ていきましょう。

 

・肌着をつける
・胴にタオルを巻きつける
・浴衣を羽織る
・袖を通したら片方の手で襟をもち、もう片方の手で中心の縫い目を持って調整する
・上前と裾線の位置と下前の位置を決めて、上前を重ねる
・腰ひもを締める
・胸元からおはしょりまで、後ろを整える
・襟を合わせる(鎖骨の間を隠すように)
・胸の下で紐を結ぶ
・おはしょりに手を入れて整える
・帯を締める前に一度紐で締める
・帯を巻く
・結び目を胸の前に作り、お尻の位置までずらす
・帯板を入れる

ざざっと書き出しただけでもかなりの工程数ですが、慣れてくればだんだんと早くなり、きれいな仕上がりになります。

文字だけだとイメージが沸きにくいので、動画検索などをして、自分に合った着方を実践していくのがベストです!

浴衣を着る日に焦らないように、本番前に何度か練習をしておきましょう。

 

着崩れしないポイントとは

浴衣でのお出かけで怖いのが着くずれ。

長時間歩き続けたり、人ごみにもまれたり、トイレなどにより徐々に崩れていき、帰るころにはボロボロ、なんてことも…。そんな着くずれを防ぐためにも、着る時にちょっとした工夫が必要になります。

 

一番のポイントは腰ひも。

腰ひもをする位置は腰骨のすぐ上がベストです。

おなかで締めるイメージが強く、ウエストで締めてしまうと苦しくなる原因にもなりますし、固定して結ぶことが出来ません。

腰骨の上にしっかりとあてて、とにかく力を込めて締めましょう。

できるだけきつく締めることが重要です。また、その上からする帯も、下線を腰骨の上に乗る位置で巻きましょう。

帯全体をきつく締めると苦しくなってしまうので、下線だけを締めるイメージで巻いてみるとうまくいきます。

また、胴にタオルを巻くことを忘れずに!このタオルがあるだけで、帯をしっかりと巻くことが出来ます。




カンタンに着られる浴衣もたくさん!

先ほど書いた流れで一番時間がかかるのが帯の部分でしょう。見栄えも決まるとても重要なところです。

帯の巻き方に自信のない方は、すでに結んである帯を背中に挿すだけのものがオススメ。

帯とセットになっているものも売られているので、色や形などを迷うことなく、かわいく着ることが出来ます。

また、単品で購入していくと結構な出費となる、下駄や小物入れ(巾着)、肌着などが全てセットになっているものも売られているので、初心者さんにはうってつけ。

店舗に行く前に、ネット通販などでどんなものがあるのかをチェックしてから行くと、浴衣選びの参考にもなって損はありませんよ!

 

うなじをきれいに見せる浴衣の着方

男性から見て、浴衣の醍醐味と言ったらうなじでしょうか。せっかくの浴衣姿ですので、きれいに見せたいところですよね。

うなじとは、首の後ろのくぼんだ部分。襟とぴったり詰めてきるのではなく、少しあけて着ると着姿もキレイになります。

目安としては、握りこぶし1つ分。見せすぎは逆にバランスを崩しやすくなってしまうので、加減をしながらあけてみてくださいね!

 

最期に

いかがでしたでしょうか?浴衣の着方やマナーについての知識がぐんとUPしたのでは?

この夏は浴衣をたくさん来て夏を満喫してくださいね!

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