夏休みの宿題で俳句が出る学校もあります。
でも、日頃作り慣れた人でないと、どうしていいか戸惑ってしまいがちかもしれません。
俳句を作りにはコツがあります。
今回は、夏休みを題材に俳句を作るコツをまとめてご紹介します。
この機会に日本特有の文化を知ることで、より充実した夏休みを過ごせるかもしれませんよ。
夏休みに覚えてみよう!俳句の基本とは?
俳句には主に5つの約束事があります。これらの決まりを守ることが、俳句を作る上での基本です。順番に見ていきましょう。
1.十七文字で作る
俳句は基本的に五・七・五の十七文字で作ります。これは、五・七・五・七・七の三十一文字で作る短歌との大きな違いの一つとなっています。
2.季語を1つ入れる
俳句には季節感を表す季語を入れます。季語はたくさんの種類がありますが、原則1つの句に入れる季語は1つだけです。
3.切字は1つだけしか使わない
俳句を作る時に、多くの人が混乱しやすいものが切字です。
切字とは、「や」「かな」「けり」「なり」などがあり俳句の骨格を作ると言われています。
切字があることで、句に込められた気持ちが強まったり、省略した言葉に変わる力を持っていると言えます。
あまり難しく考えず、ひとまず1つの句に1つだけしか使わないということを覚えておきましょう。
4.省略する
俳句は十七文字で作ります。
現代では、例えばTwitterでつぶやく時に、140文字の制限があるので、文字をわざと省略することがあるでしょう。
俳句も短い言葉の中で気持ちを読み込むために、あえて省略することをします。
一番大切な言葉だけを選び、後は思い切って捨ててしまうほうが、良い効果が生まれやすいです。
5.余韻を生む
素晴らしい俳句を読むと、時や場所を越えてその情景が浮かび上がってきます。
巧みに省略をすることで、読者がその情景を思い描く余韻を生む出す効果が期待できるのです。
このあたりは、慣れてきてからじっくり考えていくのも良いでしょう。
夏休みを題材に俳句を作るコツ
あまり俳句を作ったことがない人は、いざ作ろうとしてもすぐに言葉が出てこないことも多いです。
俳句を作るには3つのコツがあります。このコツをおさえると初心者でも作りやすいですよ。
1.わかりやすい句を作る
俳句と言えばまず名前があがるのが松尾芭蕉です。
後に俳聖と呼ばれるほど素晴らしい俳句を多く残しました。
例えば「夏草や兵どもが夢の跡」など素敵な余韻を感じる句がたくさんあります。
しかし、初心者がこのような句を目指そうとすると、挫折してしまうことが多いです。
同じ俳句でもこんな句もあります。「やれ打つな蝿が手を擦る足を擦る」。
これは小林一茶が詠んだ句です。情景がパッと浮かんでわかりやすいと思いませんか?
俳句を作ろうと思ったら、無理にカッコよい難しい言葉を使うより、誰でも知っているわかりやすくハッキリした言葉を選んで作る方が良いです。
お笑い芸人を見ていても、後から解説を加えないとわからないような芸は白けてしまいます。
俳句もパッと意味がわかるわかりやすい句の方が価値が高いです。
2.写真を取るように情景を切り取る
俳句は写生であると言われます。物や風景を観察して、その情景を十七文字の中に写し取る文芸です。
このように書くと難しいような気がしますが、現代で言うなら、さながらInstagramのようなものです。
感動するような情景や驚くような出来事に遭遇した際、写メを撮ってInstagramにあげたことはありませんか?
俳句の場合は、写真を文字に置き換えて詠みます。
写真があるならいいじゃないかと思うかもしれませんが、俳句のように省略が活かされた詩歌になることで、想像力が活かされます。
写真は見ただけで終わってしまいますが、想像したことは残ります。
あれこれ言わず瞬間の情景を詠むことで俳句を作った人も、その俳句を読んだ人も、それぞれが思い描いた情景が共有されるのです。
難しい技が活かされているからこそ、時として人を感動させる力があります。作者の心の動きまで詠むことが可能です。
3.動詞は1つだけ
夏休みは、実は題材がいっぱいです。
部活動の光景も、旅行の出来事も、あるいは友達をたっぷり遊ぶ時間も、全てが俳句になる可能性があります。
より効果的な俳句を作りたいなら、動詞は1つだけにとどめておいた方が良いでしょう。
例えば「走る」「笑う」「食べる」など、多くの動詞がたくさん入っているとピンぼけのように情景がぼやけます。
対して「走る」の一つだけを句に活かしたら、句が引き締まってカッコよく仕上がりやすいです。
季語や切字と合わせて活用してみましょう。
夏休みに俳句を作る時に季語はどうするの?
季語はとても多くの種類があります。全部覚えておくことは慣れている人でも難しいです。
自分の作った句に季語が入っているか確認したい時は、辞典やサイトなどでチェックしてみましょう。
季語と言うと「青梅」や「氷水」など、どこか情緒のある古そうな言葉ばかりと思っている方も多いかもしれません。
しかし、季語は実にたくさんあります。「アイスコーヒー」や「キャンプ」なども立派な季語です。
調べてみると、意外と普段使っている言葉が季語になっていたりして面白いですよ。
まとめ
俳句は日本が誇る素敵な文化の一つです。
自分で作れるようになるとグッと身近になります。
まずは1つ気軽に作ってみましょう。
自分の新たな才能を発見できることもあります。
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