ご先祖様をお迎えし供養して再び送り返す日本の風習「お盆」。
お供え物をする時のマナーなどをご存知でしょうか?
生活に浸透しているので、なじみ深いものではありますが、地域やご家庭によって考え方に差がある場合もあります。
基本となるマナーを抑えておけば、ギャップがあったとしても柔軟に対応できるでしょう。
今回は、気になるお供え物の基本マナーに関してまとめてみました。もし、帰省ができない時の対応方法なども一挙にご紹介します。
お盆のお供え物の基本マナーとは?
お盆は、ご先祖様があの世から戻ってきて家族とともに過ごし再び帰っていく時期にあたります。
地域差がありますが、お供え物に関する基本的な考え方は変わりません。
お迎えしたご先祖様もてなし供養するために、お供え物をします。
宗派が違っても基本的には、仏壇に明かりを灯し、線香を上げ、新鮮な水と、故人が生前好きだった花や供物などの食べ物をお供えします。これらは「五供(ごく)」と呼ばれ、お供え物の基本となります。
きゅうりで作った馬と、ナスで作った牛をお供えする地域もあるでしょう。
こちらはご先祖様の乗り物で、精霊馬・精霊牛と呼ばれます。
足の早い馬で帰ってきたご先祖様が、歩みの遅い牛にお土産を乗せてゆっくり帰れるようにという意味が込められています。
久々に会う家族に早く会いたい気持ちと、楽しい時間のあとの名残惜しい気持ちに配慮した素敵な乗り物です。
ただし、地域のよっては逆の考え方も存在します。
丁寧に迎えるために牛に乗ってきてもらい、早く帰れるように馬に乗って帰ってもらうという考え方です。
基本的なマナーは共通と言えますが、南北に長い日本では地域によって違いが生じています。
嫁ぎ先など新しい土地で初めてお盆を迎える時は、その地域に根ざしたやり方や考え方を一度確認しておくことがオススメです。
お盆でお供え用に持っていく贈り物の種類や相場
故人やご先祖様にお供えしてもらうように贈り物を用意することも大切です。
贈り物の相場に関しては、およそ3,000~5,000円くらいが一般的です。
故人が好きだったものを中心に、心のこもった贈り物を選びましょう。
お盆は、仏教と関わりの深い行事であるので、お供え物には殺生に通じるものを避けたほうが無難です。
そのままお供えできる箱入りのお菓子や、旬のフルーツ、そうめんなどの乾麺や、故人が好きだった飲み物などが贈り物として好まれます。
持っていく際には、むき出しのままでは失礼にあたりますので「のし」や「掛け紙」をつけるようにしましょう。
仏壇にあげる時は、故人やご先祖様がどんなものを送ってもらったかわかるようにすぐ食べられる状態で供えることが基本となります。
お供えっぱなしにならないように気を配ることもポイントです。
お供えした物は、無駄にならないように家族で食べることが本来のやり方と言われています。
お供え物とな「共に供する」という意味があり、ご先祖様とわけあって一緒にいただくことが供養につながると考えられているのです。
食べることに抵抗がある時は、無理をすることはありません。
白い半紙などに包んでゴミとして捨てても大丈夫です。
その際は、ご先祖様に「お供え物を下げさせていただきます」と報告し、感謝の気持ちを持って処分しましょう。
細かいやり方に関しては、地域によって異なります。
中には物ではなく現金を包んで持っていく方法がOKな場合もあります。
ご家庭や地域により決まりがありますので、詳しい人に確かめておくことが肝心です。
お嫁さんなどは、義両親に確認することを忘れないようにしましょう。
お盆に帰省しない時にお供え物はどうするの?
仕事などやむを得ない事情がある場合、帰省できないこともあります。
そんな時は、お供え物だけでも送りご先祖様に敬意を表しておきましょう。
心の中で手を合わせる気持ちがあることを、行動で示しておくことが大切です。
大げさな贈り物をする必要はありませんが、その地域の考え方に合わせて妥当な相場の物を用意することがポイントです。
義実家宛に送る場合は、夫婦で一緒に選び、可能なら一筆添えると印象が良くなることが多いです。
新しい地域に根を下ろしたり、義実家との兼ね合いがある時は、ささいなすれ違いがトラブルや疎遠に発展してしまうことがあるので気を配ることが重要と言えます。
知らなかったでは済まされないこともありますので、その地域の正しいやり方をしっかり学んでおきましょう。
交流を図るきっかけにもなります。
まとめ
ご先祖様や故人を思いやって行うお供え物は、その地域に根ざしたやり方で行うことで、敬う気持ちを最大限表現できるようになります。
基本を学んで、正しいやり方で行えるようにしましょう。
自分が知っておくことで、子どもや次の世代に教えていくこともできます。
ご先祖様に対する感謝や供養の気持ちを込めることが一番大切ですね。
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