お盆というとお盆休みといった休暇のことばかりを考えてしまう方もいるかもしれませんが、お盆というのはあの世から帰ってきたご先祖様の供養をするための期間です。
とは言っても、いざ供養といってもお盆のお供えやお膳についてはわからないことも多いでしょう。
また、日蓮宗や浄土宗といった宗派による違いも気になるところです。
宗派によるお盆のお供えやお膳の違いをしっかりと理解した上で、ご先祖様の供養をしていきたいものです。
お盆のお供えやお膳は必要!
お盆のお供えやお膳というのは、言うまでもなく必要なものです。
というよりも、供養をするため、ご先祖様をお迎えするためにお供えやお膳を用意するのがお盆であるといっていいでしょう。
確かに、気持ちが大事という部分もあるかもしれませんが、ある程度は形式も重視しなければいけません。
お盆の時期にはお盆棚というものを用意して、そこにお供えやお膳を並べていきます。
お盆棚は地域によって「精霊棚」「施食棚」と呼ばれることもあります。
簡単に組み立てられるものもありますので、そういったものを用意してそこにお盆のお供えやお膳を並べていくようにしましょう。
後ほど宗派によるお供えやお膳についてお話ししますが、宗派に関係なく共通している部分もあります。
それが五供と呼ばれるものです。
五供は香、お花、灯燭、浄水、飲食のことを指します。
香はお線香やお香のことを、お花はお供えの花を、灯燭は灯火を、浄水は綺麗な水を、飲食は精進料理を意味しています。
これらの五供は宗教に関係なく、お供えするようにしましょう。
お盆のお供えやお膳は日蓮宗の場合はどうするの?
日蓮宗におけるお盆のお供えやお膳は、どうすればいいのでしょうか?
先でお話しした五供に加えて、日蓮宗の場合にはお茶、ご飯、お供え物、水の子、キュウリの馬、ナスの牛、花を用意しておきましょう。
「他のは知ってるけど、水の子って何?」という方もいるでしょう。
水の子はすべての精霊に捧げるお供え物といったところです。
4分の1カップほどのお米を軽く研いでおきます。
だいたい50mlほどになるかと思います。 ナス、ニンジン、キュウリなどを小さなサイコロ状にカットし、水気を含ませた状態でお米の上に乗せます。 ハスの葉を下に敷いた状態で盛り付けるのがベストなのですが、ハスの葉がない場合にはフキの葉など似たような葉っぱで代用していきます。 器に葉っぱを敷いて、その上に水の子という感じです。 |
水気のあるものなので、器はある程度深さのあるものがいいでしょう。
この水の子によって、お米や野菜を帰ってきたご先祖様全員、あるいはすべての魂に行き渡るようにするのです。
お盆のお供えやお膳は浄土宗の場合はどうするの?
では、浄土宗の場合にはどうすればいいのでしょうか?
浄土宗の場合、仏壇の前に小さな机を用意しておきます。
それに真菰(マコモ)と呼ばれる植物で編まれたござを敷きます。 通常のござではいけないと言われていますので、なるべく真菰で編まれたござを用意するようにしましょう。 これでいわゆるお盆棚ができるのですが、その上に花、季節の野菜、果物、お菓子をお供えしていきます。 |
もちろん、先でお話しした五供も忘れないようにしておきましょう。
ちなみに、お菓子ですが、まれにいただいたお菓子の包装を破ることなくそのままお供えしていることがあります。
しかしながら、お供えの基本は自分たちが食べるときのようにしておくことです。
自分たちが食べるときには包装を破って、中身を出して、さらに個別包装されている場合にはその包装を破って食べることになります。
そのため、いただいたお菓子であっても破ってそのまま食べられる状態でお供えしておくようにしましょう。
果物も同じで、自分たちが食べるときのようにカットしたり、皮をむいておいたりしましょう。
ご先祖様は魂だけの存在となっていますが、生身の人間として迎え入れるという感覚が大切なのです。
また、浄土宗と浄土真宗を混同している方もまれにいらっしゃいます。
確かに名前は似ているのですが、浄土宗と浄土真宗は別物ですので、注意しておきましょう。
浄土真宗の場合には、日蓮宗や浄土宗のように特別なお供えをすることはありません。
宗派を混同して間違ったお供えやお膳を用意しないようにしておきましょう。
まとめ
お盆のお供えやお膳は必要ですし、宗派によって共通点もあれば、相違点もあります。
日蓮宗と浄土宗でもいろいろな違いがありますので、それぞれの宗派の供養の仕方をしっかりと理解しておきましょう。
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