二百十日の台風は厄介

二百十日というものをご存知でしょうか。

農業に関わっている方にとっては、その言葉を見聞きしただけで

顔をしかめてしまうようなものかもしれません。

二百十日というのは台風と関係の深い日になります。

 

ここでは、二百十日とはどのような行事なのか

二百十日には絶対に台風が来るのかといったことについてもお話しして

いきたいと思います。

 

農業に関わっている方で二百十日を知らない方というのはそういないでしょうが

台風というのは農業だけではなくさまざまなものに影響を及ぼすものです。

是非、この機会に二百十日についてしっかりと理解しておきましょう。

二百十日とは一体何なのか?

何なの?

そもそも二百十日(とは一体何なのでしょうか。

二百十日というのは、雑節のひとつになります。

ちなみに読み方はそのまま「にひゃくとおか」となります。

 

もともと古くから季節の節目になる日というのが決められていました。

二十四節気や五節句がまさにそれに当たるのですが

これらとは別に季節の節目になる日をさらに細かく決めて行った暦日のことを雑節と呼んでいます。

 

特に、日本というのは四季がはっきりしていますので

その分、季節が移り変わるのに気候も大きく変動するものです。

二十四節気や五節句ではカバーしきれない微妙な季節の変化を

伝えてくれるのが雑節というわけです。

 

立春の当日から210日目にあたるから、二百十日と呼ばれています。

この日は風が強く、台風が多い日といわれていますので

それによって農作物に被害が出てしまう農家の方にとってはまさに厄日なのです。

 

この時期というのは稲が開花するタイミングでもありましたので

強い風や台風に来られると本当に甚大な被害が出てしまうのです。

こういった経験を無駄にしないようにということで

後世にも受け継がれているものなのです。

 

昔の時代を生きていた方というのは、後世を生きる人間のことまで考えて

生きていく上での知恵というものをしっかりと残してくれているのです。

現在では、「二百十日=農家」というイメージがありますが

二百十日という雑節は伊勢の船乗りたちの長年の経験によるものといわれています。

 

実際に、暦に記されるようになったのは江戸時代からだといわれているので

本当に長い間、受け継がれているものなのです。

二百十日とはどんな行事なのか?

風

二百十日とはどんな行事なのかということなのですが

先でもお話ししましたように二百十日というのは雑節です。

 

初詣などの定番の行事というわけではないのですが

二百十日には風祭りというものが各地で開催されます。

二百十日には風が強くなったり、台風が来たりしますので

農作物をそういった被害から守るために神様へ祈りを捧げるお祭りです。

 

それぞれの地域によって風祭りのやり方というのは違ってきます。

中部地方や北陸地方のほうでは、獅子舞によって風神を追い立てるようなお祭りもあれば

風切り鎌を自宅に立てるといった風習もあるそうです。

 

他にも風を鎮めるための行事というのはいろいろなものがあります。

奈良でおこなわれている大和神社の風鎮祭などは有名です。

富山にもおわら風の盆といった風習があります。

どれも歴史のあるもので、中には300年以上前からおこなわれているようなものもあります。

 

昔の日本人は目に見えないものを敬っていたからこそ

こういったお祭りや風習が残っているのでしょう。

今では強い風や台風というとデータをもとに分析してしまいますが

神様に祈るという気持ちを現代人も思い出したほうがいいかもしれません。

二百十日とは行事食があるものなのか?

二百十日とは雑節のひとつであり、風祭りが各地で開催されています。

こういったお祭りが開催されているとなると

いわゆる行事食があるのではないか?という部分が気になってしまう方もいるかもしれません。

 

結論から言ってしまうと、二百十日には行事食はありません。

日本の行事食は健康を願ったり、その行事にちなんだものを

食べたりすることが多いのですが、二百十日の意味というものを考えると

行事食というのはできないでしょう。

 

ただ、2017年の二百十日はちょうど91日で防災の日でもあります。

防災の日と二百十日には関係はないのですが

防災の日ということもあって非常食に興味を持つ方は多いようです。

非常食

特に、日本は台風だけではなく地震のこともありますので

非常食というのはしっかりと備えておきたいものです。

 

ありがたいことに、最近の非常食というのはかなり進化しています。

非常食というと長持ちする分、おいしくないものが多かったのですが

最近ではおいしくて長持ちする非常食が多くなっているのです。

 

二百十日には行事食というものはないのですが

行事食代わりに非常食を見直してみてもいいかもしれません。

二百十日には絶対に台風が来る?

台風

二百十日は風が強くなる日、台風が来る日という話をしましたが

じゃあ毎年二百十日には台風が直撃するの?」と素朴な疑問を抱く方もいるでしょう。

 

結論から言ってしまうと、二百十日だからといって

絶対に台風が直撃するというわけではありません。

 

そもそも台風が来るにしても、どのような形で直撃するかにもよります。

地域によっては、二百十日でももう何年も台風は来ていない

来ても直撃はしていないというところもあります。

 

そもそも台風を含めて、天候において絶対というのはありません。

毎日の気温や湿度が違うように、毎日が違う条件下になります。

そのため、二百十日に限らず、「毎年、必ずこの日に台風が来る!」

ということは言えないのです。

 

どちらかというと、二百十日あたりの時期は風が強くなりやすいし

台風も来やすいから気を付けてねというニュアンスなのです。

二百十日の台風だけではなく、二百二十日にも要注意!

要注意

二百十日とあわせて覚えておきたいのが二百二十日というものです。

ちなみに、2017年の二百二十日は911日になります。

 

二百二十日というのは、立春の日を1日目として数えて

219日後のことを指します。

 

もうお察しの方もいるでしょうが、二百二十日というのは

二百十日と同じ雑節というものになります。

つまり、二十四節気や五節句だけではカバーすることのできない

季節の移り変わりを示す日なわけです。

 

二百十日が農家の方にとって厄日だったのと同じように

二百二十日も農家の方にとっては厄日になります。

二百十日もそうなのですが、二百二十日の時期というのは

多くの農家で収穫の時期を迎えます。

 

最近では9月というとまだまだ夏という感じですが

暦の上では夏から秋に移り変わる時期です。

そして、この時期というのはやはり台風が多いのです。

台風が来てたくさんの雨が降ったり、強い風が吹いたりすると

あとは収穫するだけになっていた農作物もすべてダメになってしまいます。

 

当たり前のことなのですが、農作物を収穫するまでには膨大な時間がかかります。

それだけ時間をかけた農作物が一瞬でダメになってしまうのです。

ただ、台風というのは人力でどうにかできるものではありません。

そのため、この時期は台風の危険性があるから気をつけなさいという形で伝えられてきたのです。

 

二百二十日も二百十日と同じように、絶対台風が来るというわけではありません。

ただ、二百十日よりは二百二十日のほうが台風が直撃するケースが多いようです。

二百十日の台風にも注意が必要ですが、二百二十日の台風にも十分に気を付けておきたいものです。

二百十日の台風だけではなく、八朔にも注意が必要!

八朔

二百十日の台風、二百二十日の台風と来ると、二百三十日となりそうなものですが

残念ながら二百三十日というのはなさそうです。

ここではその代わりというわけではないのですが

八朔というものについてもお話ししておきたいと思います。

 

八朔というと柑橘類のほうを思い浮かべる方も多いかと思いますが

八朔というのは八月朔日の略です。

旧暦の81日のことを指します。

ちなみに、2017年の八朔は920日になります。

 

二百十日、二百二十日、八朔は、農家にとっての三大厄日と言われています。

理由はもう説明しなくともおわかりかと思いますが、この時期には台風が多いからです。

八朔も二百十日や二百二十日と同じように、台風が多い日として伝わっているのです。

台風が来るとそれまで一生懸命に育ててきた農作物が一瞬でダメになってしまいますので

農家の方にとっては厄日以外の何でもないのです。

 

もちろん、二百十日や二百二十日と同じように、この日に必ず台風が来るというわけではありません。

それでもこの時期というのは、台風がよく発生しますので、要注意な時期なのです。

八朔の日にもお祭りが開催されるのですが、熊本の八朔祭や福井の八朔祭が有名です。

 

他にも、地域によっては八朔にあいさつ回りをする、八朔の節句でお祝いするといったこともあるようです。

中には、ひな祭りを八朔まで延期するような風習のところもあるようです。

 

いろいろな行事があるのですが、やはり台風で中止になったり

延期となったりすることも多いので、やはり八朔の台風にも注意しておきましょう。

ちなみに、柑橘類のハッサクはこの時期に食べられるようになったのが名前の由来になっています。

まとめ

二百十日とは、昔の人が後世に残した大切な知恵袋です。

この時期の台風には気を付けて、農作物に被害が出ないようにお祈りしておきたいものです。

二百二十日と八朔にも注意しておきましょう。

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