ひな祭りの歌

ひな祭りの時期になると必ず耳にする歌がありますよね。

「明かりをつけましょぼんぼりに~」から始まる

「うれしいひなまつり」の歌詞は、

どこか忘れがたい印象をもたらします。

どんな意味が込められているのでしょうか?

今回は、ひな祭りの定番歌である

「うれしいひなまつり」に関するあれこれをまとめてみました。

ひな祭りの歌にはどんな意味があるの?

ひな祭りの歌と言えば「うれしいひなまつり」

が真っ先にあげられます。

一度聞くとなんとなく覚えてしまう不思議な歌です。

 

子どもと一緒に口ずさんでいる時に、

「この歌にはどんな意味があるの?」と質問されて困ってしまった

という方もいるのではないでしょうか?

 

歌そのものは知っていても、

その歌にどんな意味が込められているのかというのは

意外と知らないものですね。

 

「うれしいひなまつり」が誕生したのは

1935年(昭和10年)のことです。

 

童謡作詞家として有名なサトウハチローさんが作詞しました。

 

歌詞の中に「お嫁にいらした姉様」

というサトウハチローさんのお姉さんを想像するような部分があり、

嫁ぎ先が決まりながらも結核の為に

18歳で亡くなったお姉さんへのレクイエムとしての

意味が込められているのではないかという説があります。

 

ただし、サトウハチローさん自身の解説が残っているわけではありません。

 

たのしいはずのひな祭りを

題材にしていながらもどこか物悲しい響きがある胸に残る歌なのは、

悲しい意味合いがそっと込められていたからなのかもしれませんね。

 

子どもが無邪気に問いかけてきたら、

今お雛様を愛でられる幸せを噛みしめる歌なんだよ

と教えてあげるのも良いかもしれません。

 

また、童謡でありながらも厳かな雰囲気を感じるのは、

短調を採用していることも影響しています。

 

子どもが口ずさむ歌にしては、

しっとりとした曲調になっているのは、

雅楽に通じる味わいを表現したからという意見もあるようです。

 

実際ひな祭りは古くは平安時代に遡る由緒ある行事です。

 

古からのみやびな雰囲気を尊ぶ気持ちが、

曲に反映されているのかもしれません。

 

独特の落ち着いた雰囲気が

ひな祭りの奥深い趣を感じさせてくれます。

 

ひな祭りの歌には実は2つの間違いがある

サトウハチローさんが作った歌の中でも特に有名な

「うれしいひなまつり」ですが、

実は2つの間違いがあることがわかっています。

 

1つめは「お内裏様とお雛様」という部分です。

 

ひな祭りで飾る人形には男雛と女雛がありますが、

お内裏様とは男雛と女雛を総称した呼称です。

 

またお雛様とは仕丁・随身・五人囃子・三人官女

そしてお内裏様と雛人形全てを指しています。

 

また2つめとして「赤いお顔の右大臣」

という部分がありますが、実は赤い顔をしているのは左大臣のほうです。

 

ちなみに、雛人形に向かって右側にいるのが左大臣、

向かって左側にいるのが右大臣であり

ややこしいのでサトウハチローさんが

間違えてしまったのも致し方ないことのような気がします。

 

この間違いがあったために、

サトウハチローさん自身はこの歌があまり好きではなかったと言われています。

 

ただ、これだけ愛されていることを考えると、

事実上の間違いはあまり気にならないとも思えます。

 

人の心を掴む何かがあることは確かでしょう。

意外なことにメキシコでも有名!

2007年には日本の歌百選にも選ばれるほど定着している

「うれしいひなまつり」ですが、意外なことにメキシコでも有名です。

 

メキシコ人に「うれしいひなまつり」を聞いてもらうと、

高確率で「昔メキシコで流行った歌だ!」

という反応が返ってくるといいます。

中には、これはメキシコで作られた歌と思っている方もいるようです。

 

どうしてかというと、

1960年代にメキシコの音楽グループである

ロス・パンチョスが「悲しきみなしご」という

タイトルでカバーしているからです。

 

背景を知らないで曲だけ聞いたことがあるメキシコ人が、

メキシコの歌として覚えているのも納得できます。

 

それにしても「たのしいひなまつり」が

「悲しきみなしご」になるとは、不思議ですね。

 

どこか物悲しい響きの本質が、

国を超えて伝わったということでしょうか?

 

日本では毎年ひな祭りの時期になると、

楽しそうに雛人形を飾る子ども達が口ずさんでいるのは、

どこか救いがあるようにも思えます。

 

実際にサトウハチローさんがこの歌を作詞した時期も、

娘さんに雛人形のセットを買ってあげた前後である

と言われているそうです。

 

亡くなってしまったお姉さんの分まで

健やかに生きてほしいという優しい願いが

込められているのかもしれませんね。

まとめ

ギャップがある「うれしいひなまつり」ですが、

時や国を超えて人々の心に残る名歌であることは間違いないでしょう。

雛人形には女の子の健やかな成長を願う

意味が込められています。

奥深い童謡である「うれしいひなまつり」を

子どもと一緒に歌いながら、

これからの健康と幸福を願うのも素敵ですね。

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