秋の七草粥

七草粥といえば、やはり春の七草を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、七草というのは実は秋にもあるのです。

「じゃあ、秋の七草粥もあるの?」と思われる方もいるでしょう。

秋の七草粥というのは存在しません。

そもそも秋の七草というのは食べるものではないのです。

ここでは、春の七草粥と混同されてしまいがちな秋の七草粥について

お話ししていきたいと思います。

秋の七草粥は食べるものではない!

食べてはいけない

先でもお話ししましたが、秋の七草粥というのは食べるものではありません。

春の七草はお粥でいただきますので、どうしても七草というとお粥にしていただく

というイメージがあるのですが、秋の七草はそもそも七草粥にはしないのです。

 

秋の七草粥として食べるのではなく、秋の七草は眺めるものなのです。

ちなみに、秋の七草というのは女郎花(おみなえし)、尾花(おばな)

桔梗(ききょう)、撫子(なでしこ)、藤袴(ふじばかま)、葛(くず)

萩(はぎ)の7種類になります。

尾花だけあまり馴染みがないように思えるかもしれませんが、尾花というのは

ススキのことを指しています。

 

それがわかると、秋の七草というのは結構身近なものがそろっています。

女郎花はその根が漢方薬として使われることがあるのですが

基本的に食べるという話はあまり聞きません。

 

ススキである尾花は天ぷらなどでいただくこともあるようですが

これも基本的にあまり食べるものではありません。

 

桔梗はその根が生薬として使われることもあるのですが、これも食べるという話は聞きません。

それに、桔梗は絶滅危惧種になっています。

 

秋の七草の中でも特に身近な撫子に関しても、食べるという話は聞きません。

 

藤袴に関しては、毒性がありますので食べられないというよりも食べてはいけません。

葛はその根のでんぷんから葛粉が作られることで有名です。

ただ、葛自体をいただくという話は聞きません。

 

萩に関しても、食べられるといった話は聞きません。

 

このように、秋の七草というのは基本食べられないものばかりですし

中には絶対に食べてはいけないものもあるのです。

そのため、秋の七草粥というのは作ることができないのです。

秋の七草の花というのは本当にどれも綺麗なので、まさに見て楽しむのに最適です。

食べない秋の七草粥の時期は?

秋の七草粥は作ることができないという話をしましたが

この食べない秋の七草の時期というのは一体いつ頃なのでしょうか。

 

あとで秋の七草粥の意味についてお話しするのですが

秋の七草というのは古くから親しまれているものです。

そのため、今の暦ではなく、旧暦の秋のほうで考えていかなければいけません。

 

旧暦の秋というのは7月から9月となっており、今の暦だと夏真っ盛りです。

ただ、78月はまだまだ夏という感じがしますが、9月になってくると

秋らしさも感じられるようになってきます。

 

実際に、先でご紹介した秋の七草というのはこの時期に花が咲きますので

少し早めに秋の七草で秋を先取りしてみましょう。

食べない秋の七草粥の意味は?

秋の七草粥は作ることができないし、食べることもできないというのは

もうおわかりいただけたかと思いますが、そもそも秋の七草の意味というのは一体何なのでしょうか。

 

秋の七草というのは、万葉集が由来となっていると言われています。

万葉集で山上憶良が詠んだふたつの歌が秋の七草というものを作り出しました。

そのふたつの歌というのが「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」

「萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 おみなへし また藤袴 朝貌の花」になります。

このふたつの歌がきっかけとなって秋の七草が生まれたのです。

 

春の七草のように健康を願うといった感じではなく、「秋にはこういった草花を愛でましょう」

といった意味合いが込められているものと考えられます。

万葉集の歌がきっかけというのはなんとも風流なものです。

 

古くから伝わる秋の七草が春の七草と混同されるようになって

秋の七草粥というものがあるかのように勘違いされるようになってしまったというわけです。

実際に、秋の七草粥を作ろうとしてレシピを検索する方もいるのですが

先でもお話ししましたように秋の七草というのは基本的に食べられないので注意しておきましょう。

まとめ

春の七草粥と混同されているのですが、秋の七草粥というのは作ることができません。

その意味を知って、秋の七草の時期には綺麗に咲き誇る七草の花を愛でるようにしたいものです。

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